# DDNS 無料ダイナミック DNS サービス 4 つ徹底比較
DDNS とは
Dynamic Domain Name System(ダイナミック ドメイン ネーム システム)の略で、動的にグローバル IP アドレスをホスト名に登録・管理するサービスです。自宅サーバーやリモートアクセス環境を構築する際に便利です。
本記事では、以下の4つの無料DDNSサービスを比較・解説します:
- DDNS Now - 制限なしの日本製サービス
- MyDNS - 個人運営の日本製サービス
- No-IP - 世界的に有名なアメリカ製サービス
- Duck DNS - シンプルな無料サービス
# DDNS Now
2013年から運用開始以来、サービス保障稼働率100%を誇る日本のダイナミックDNSサービスです。以前DDNS ieserverを利用していたユーザーがサービス停止を受けて、DDNS Nowに移籍したケースも多く見られます。
# 特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 料金 | 永久無料(全機能) |
| 利用期間 | 無期限(定期的な更新も不要) |
| プライバシー | 登録にメールアドレスや個人情報は不要 |
| 更新間隔 | 制限なし |
| 更新回数 | 制限なし |
| ドメイン数 | 1(ユーザ名.f5.si) |
| 対応レコード | A/AAAA/CNAME/ワイルドカード CNAME/TXT/URL リダイレクト |
| TTL | 60秒 |
| 更新方法 | DiCE/HTTPS/HTTP/API |
| 安定性 | 2013年から現在まで、DNSサーバが完全にダウンしたことは一度もありません |
| DNSサーバロケーション | 日本(東京)を含む世界29地点。最も地理的に近いサーバが応答 |
# メリット
- 制限が一切ない: 定期的なログインやIPアドレス更新が不要
- 高い安定性: 長年の実績と100%の稼働率
- プライバシー重視: 個人情報不要で登録可能
- 日本製: 日本語サポートと日本国内のDNSサーバー
# デメリット
- ドメイン数が1つに限定される
# MyDNS
個人運営の日本のダイナミックDNSサービスです。2022年4月時点で31,288以上のドメインが登録されており、日本国内で一定のシェアを持っています。
# 特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 料金 | 無料 |
| 利用期間 | 1ヶ月以内にIPアドレス更新またはログインが必要 |
| 更新間隔 | 制限あり(1ヶ月以内に更新が必要) |
| ドメイン数 | 複数可能(要確認) |
| 更新方法 | HTTP/HTTPS |
| 運営形態 | 個人運営 |
# メリット
- 日本製で日本語サポート
- 個人運営ながら長年安定稼働
# デメリット
- 1ヶ月以上IPアドレス更新がなかったり、ログインしなかったりした場合には削除される
- 定期的なメンテナンスが必要
# No-IP
アメリカのネバダ州に本社を置く Vitalwerks Internet Solutions, LLC が運営する世界的に有名なダイナミックDNSサービスです。
# 特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 料金 | 無料版あり(有料版もあり) |
| 利用期間 | 30日以内にログインが必要 |
| 更新間隔 | 制限あり(30日以内にログイン) |
| ドメイン数 | 複数可能(プランによる) |
| 更新方法 | HTTP/HTTPS/API |
| 運営形態 | 企業運営 |
# メリット
- 世界的に利用されている実績
- 企業運営で安定性が高い
- 有料プランでより多くの機能が利用可能
# デメリット
- 無料版は30日間にログインなしで削除される
- 定期的なメンテナンスが必要
# 注意点
過去にサブドメインの悪用により、一時的にマイクロソフトがブロックした事例があります。
マイクロソフトはこれまでの調査から無料のダイナミックDNSはサイバー犯罪が横行する場となっており、マルウェア「Bladabindi–Jenxcus」に感染しているNo-IPドメインは93%、さらに245種類の異なるマルウェアの温床になっており、過去12か月間で740万を超えるBladabindi-Jenxcus感染を検知したと述べています。
# Duck DNS
シンプルで使いやすい無料のダイナミックDNSサービスです。
# 特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 料金 | 無料 |
| 利用期間 | 制限なし(要確認) |
| 更新方法 | HTTP/API |
| 運営形態 | コミュニティ運営 |
# メリット
- シンプルで使いやすい
- 無料で利用可能
# デメリット・注意点
Duck DNSのサブドメインは無料で申請できるため、スパムメール送信や詐欺サイトでの悪用が報告されています。ただし、Duck DNSのDDNSサービス自体は問題なく利用できます。
Duck DNSのサブドメイン(duckdns.org)は、宅配便の不在通知を装ったフィッシングメールなどでもよく見かけます。SMSやメールに「http://○○○.duckdns.org」というURLが含まれ、クリックすると偽サイトが表示されたり、「システム警告!マルウェアが検出されました」という画面が表示され、ウイルス対策ソフトのインストールに誘導されるケースがあります。
# サービス比較表
| サービス | 料金 | 更新制限 | ドメイン数 | 運営形態 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|
| DDNS Now | 無料 | なし | 1 | 企業 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| MyDNS | 無料 | 1ヶ月 | 複数 | 個人 | ⭐⭐⭐⭐ |
| No-IP | 無料 | 30日 | 複数 | 企業 | ⭐⭐⭐ |
| Duck DNS | 無料 | なし | 複数 | コミュニティ | ⭐⭐⭐ |
# まとめ
無料DDNSサービスを選ぶ際のポイント:
- 更新制限の有無: DDNS Nowは更新制限がなく、最も使いやすい
- 安定性: 長年稼働している実績のあるサービスを選ぶ
- 地域性: 日本製サービスは日本語サポートと日本国内のDNSサーバーで応答が速い
- セキュリティ: 世界的に利用されているサービスは悪用されるリスクも高い
特にDDNS Nowは制限が少なく、高い安定性とプライバシー保護を兼ね備えているため、日本国内で利用する場合には最もおすすめできるサービスです。定期的なメンテナンスが不要で、個人情報も不要なため、気軽に始められる点も魅力です。