# MySQL と MariaDB の違い
リレーションデータベース管理システム(RDMS)である MySQL と MariaDB は一緒と思ってませんか?機会があって違いについて調べました。MariaDB は MySQL をベースにしたデータベースシステムですが、開発やメンテナンスによって違いがあります。
# 開発元の違い
MySQL はもともとスウェーデンの会社である MySQL AB が開発し、後に Sun Microsystems に買収され、現在は Oracle Corporation が所有しています。一方、MariaDB は MySQL のオープンソースのフォークとして、MySQL の開発者であった Michael Widenius が MariaDB Corporation を設立して開発を進めています。
# ライセンスの違い
MySQL はデュアルライセンスモデルを採用しており、コミュニティエディションは GNU General Public License(GPL)の下でオープンソースとして提供されています。商用エディションも提供されています。一方、MariaDB は GNU General Public License(GPL)の下で完全にオープンソースとして提供されています。
# 機能の違い
MariaDB は MySQL をベースにしており、基本的な機能や SQL の互換性は非常に高いです。ただし、MariaDB は独自の拡張機能や最適化を追加しています。たとえば、ストレージエンジンのパフォーマンス向上や、一部の互換性の問題の修正などがあります。
# ストレージエンジンの違い
MariaDB には、MySQL にはない独自のストレージエンジンがいくつかあります。例えば、XtraDB や Aria などがあります。これらのエンジンは、パフォーマンスや耐久性の向上、ストレージエンジンの切り替え時のデータの整合性などを提供しています。
# インデックスの違い
MariaDB では、MySQL のインデックスにいくつかの最適化が追加されています。特に、InnoDB ストレージエンジンを使用した場合、索引の圧縮や索引の統計情報の自動更新などが改善されています。
# パフォーマンスの最適化の違い
MariaDB には、MySQL にはないいくつかのパフォーマンス最適化が含まれています。例えば、クエリの最適化やクエリプランの改善、スレッドの処理方法の最適化などがあります。これにより、一部のクエリの実行速度が向上する場合があります。
# セキュリティの違い
MariaDB では、MySQL にはない追加のセキュリティ機能が提供されています。例えば、データベースの暗号化、ユーザーアカウントのパスワードの強制ポリシー、データベースへの接続の暗号化などがあります。
# 互換性の違い
MariaDB は MySQL と非常に高い互換性を持っていますが、一部の機能や構文において微妙な違いがあります。特に MySQL の新しいバージョンで導入された機能に関しては、MariaDB でのサポートのタイミングが異なる場合があります。
# バージョンの違い
MySQL と MariaDB はそれぞれ独自のバージョン番号を持っています。バージョンの進化に伴い、両方のデータベースサーバーはそれぞれ独自の機能や最適化を追加してきました。一般的に、MySQL と MariaDB の最新バージョンは互換性が高いですが、一部の機能や構文の違いが存在する場合もあります。
# コミュニティの違い
MariaDB はオープンソースプロジェクトとして、コミュニティのサポートを重視しています。MariaDB の開発は活発で、コミュニティからの貢献も積極的に受け入れられています。MySQL もコミュニティのサポートがありますが、Oracle Corporation の所有という背景から、一部のユーザーは MariaDB を選択することもあります。
# MySQL のメリット
# ユーザベース
MySQL は非常に広範なユーザベースを持っており、多くのユーザが利用しています。そのため、情報やサポートを得るためのリソースが豊富です。
# 成熟度
MySQL は長い歴史を持ち、多くの企業や組織で使用されています。そのため、安定性や信頼性が高く、広くテストされたプラットフォームです。
# ドキュメンテーション
MySQL には詳細な公式ドキュメントがあり、使用方法や設定などの情報を簡単に見つけることができます。
# 商用サポート
Oracle Corporation が MySQL を所有しており、商用サポートを提供しています。これにより、大規模なビジネス環境での使用において、信頼性とサポートの保証が得られます。
# MariaDB のメリット
# オープンソース
MariaDB は完全にオープンソースであり、自由に利用、改変、配布することができます。また、コミュニティからの貢献もあり、柔軟性と透明性があります。
# パフォーマンス
MariaDB は MySQL のフォークとして開発されており、いくつかの最適化とパフォーマンス改善が含まれています。特に InnoDB ストレージエンジンのパフォーマンスが向上しています。
# 新機能
MariaDB は MySQL に対して独自の新機能を追加しています。例えば、ストレージエンジンの切り替え時のデータ整合性の向上や、パフォーマンスの最適化などがあります。
# 互換性
MariaDB は MySQL と非常に高い互換性を持っており、多くのアプリケーションやツールが MySQL との互換性を維持しながら MariaDB に移行できます。
# MySQL と MariaDB のデメリット
# ライセンス
MySQL の商用エディションは有償であり、オープンソースコミュニティエディションとの機能の差があります。MariaDB は完全にオープンソースであるため、商用サポートやエンタープライズ機能が少ないという制約があるかもしれません。
# 所有権の問題
MySQL は Oracle Corporation によって所有されています。この所有権の背景から、将来の開発方向やライセンスポリシーに関して不確定性が生じる可能性があります。
# コミュニティ
MySQL のコミュニティは非常に大きいですが、Oracle Corporation の所有下にあるため、開発の意思決定において Oracle Corporation の方針が影響を与えることがあります。一方、MariaDB はコミュニティ主導のプロジェクトであり、柔軟性と独立性があります。
# MySQL の歴史
- 1995 年
スウェーデンの会社である MySQL AB が、Michael Widenius、David Axmark、Allan Larsson によって設立されました。初めは軽量なデータベースエンジンとして開発されました。 - 2000 年
MySQL 3.23 がリリースされ、トランザクションや外部キー制約などの機能が追加されました。このバージョンから MySQL は商用利用も可能となりました。 - 2001 年
MySQL AB が MySQL の商用ライセンスを提供し、サポートや追加機能を提供するビジネスモデルを確立しました。 - 2008 年
Sun Microsystems が MySQL AB を買収し、MySQL の開発とサポートを引き継ぎました。 - 2010 年
Sun Microsystems が Oracle Corporation によって買収され、MySQL は Oracle の一部となりました。 - 2010 年
MySQL の開発元である Michael Widenius が MySQL の将来に懸念を持ち、MySQL のフォークである MariaDB を発表しました。
# MariaDB の歴史
- 2009 年
MySQL のフォークとして、MySQL の開発者である Michael Widenius によって MariaDB がリリースされました。当初の目的は、MySQL コミュニティの要望に応えるために改善を加えたオープンソースのデータベースシステムを提供することでした。 - 2010 年
MariaDB Foundation が設立され、MariaDB の開発とサポートを継続しました。MariaDB はコミュニティ主導のプロジェクトとして成長していきました。 - 2013 年
MariaDB 10.0 がリリースされ、新しい機能やパフォーマンスの改善が導入されました。このバージョンから、MariaDB は MySQL との互換性を維持しながら、独自の機能を追加していく方向性を示しました。 - 2020 年
MariaDB Corporation が設立され、商用エディションや追加サポート、クラウドサービスなどを提供するビジネスモデルが確立されました。